大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)67号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(理由)

(前略)職權を以て調査するに本件起訴状によれば本件の訴因として原判決認定の二個の事實の外に第一の公訴事實として被告人が昭和二四年八月二日頃愛知縣海部郡飛島村大字八島新田一一番地中山正一方において同人所有の女物衣類等八點を窃取した旨の事實を掲記しあるところ檢察官は原審第二回公判期日において右第一公訴事實を撤回すると陳述し被告人及び辯護人から右公訴事實の撤回に異議なしと述べこれに對し原審は何等の釋明を施さないので檢察官の右訴因を撤回するということの眞意を推測し得ないのであるが、若し右第一公訴事實に關する公訴を取消す旨の意思表示であるとすれば原審は刑事訴訟規則第一六八條によつて公訴取消の書面の提出を求めた上刑事訴訟法第三三九條によつてその公訴棄却の決定をなすべく又それが單に同法第三一二條の訴因の撤回の趣旨であるとすれば本件のように訴因が擇一的又は豫備的に併合されている場合でなく一の公訴事實が單一の訴因とされている場はその訴因を公訴取消の手續によらずして單なる訴因撤回の手續によつてこれを審判の對象から除外することは許されないことであり從つて檢察官の意圖がその何れにあつたにせよ右第一公訴事實は依然として原審に繋屬していたものでありこれに對し原審が終局的處理を終つたものとして何等の判斷を與えないのは同法第三七八條第三號に所謂寫の請求を受けた事件について裁決をなさない違法があるものというべくこの點においても原裁決は同法第三九七條によつて破棄を免れない。

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